2008年05月16日

投資家は真摯な業績予想を行う企業を高く評価せよ!

決算発表が相次いでいるが、今期(10/3期)会社予想を減益とする企業が多い。その予想を見ながらあくまでも慎重なスタンスであるのか、全然甘い見方であるのか、の判断に困っている投資家も多いに違いない。

環境が不透明であることは勿論だし、コンシューマ製品やコンテンツビジネスなど当りはずれによってブレ易い業態の会社もあると思う。分からない部分は慎重にというスタンスは理解できないこともないが、兎に角、予想を下回らないようにガチガチに出すというスタンスにはこれまで何度も申し上げているが投資家をミスリードしているとしか思えない。

こうした主張に対しては、僅かでも予想を下回ることは、投資家の評価が下げることにつながるというのが、企業側のこれまでの言い分であり、実証データもあるようだ。

しかし、(全ての企業とは言わないまでも)企業側の方便に使われているように思えてならない。正確な予想が出来ないというのは、事業環境に対する調査・分析能力や組織の構造に問題があるという見方も出来るのではないだろうか?

確かに1年先の状況を予想することは困難である。これは小さいながらも筆者が会社をやっているから良く分かる(小さな会社の方が本来はボラティリティが高い)。しかし、3ヵ月であればかなりの精度で予測が可能なはずだ。期末前後に業績を大幅に上方修正(あるいは下方修正)するというのは管理体制が整っているならば本来はあり得ないはずである。

大企業の場合、まずはボトムアップで計画を集計し、それに調整を加えるという手法を一般的にとると思われる。その際に風通しの悪い組織や、プレッシャーの高い組織では、低い計画値を出すと上司に怒られるので周りを見ながら設定するという主体性のない行動や、高い目標を掲げるとノルマが厳しくなるから(見込み客を)隠し玉として取っておくというようなことが営業の現場で行われている可能性も考えられる。
だから、経営層も現場の数値をあまり信頼していないことから、結果的にかなり控えめな予想ができてしまうということはないだろうか?

(後から上方修正すれば良いと)控えめな数値を出すことに企業が慣れてしまうことは、正確な状況認識への努力が結果的には低下してしまうのではないかという危惧もある。
企業が常に最適と考える予想を出さないのであれば、会社予想など早く廃止をしてしまうに越したことはない。

また、投資家も企業に方便を与えることを避けるためにも仮に下回ったとしても予想に対するブレ幅の小さな企業を評価すべきでは無いだろうか。
(ただし、本当に企業が正確な予想を出すのだとしたらアナリストの仕事はなくなってしまうのかもしれないが・・・・)

そんなことを言っても予想は本当に難しいという声もあるかもしれない。
そうした場合は、日銀が4月の「展望レポート」で示したような「リスク・バランスチャート」という考え方もある。
中央値に対して上下どのくらいブレる可能性があるかを示したものだ。こうした開示方法の工夫があっても良いように思う。





日銀が「リスク・バランスチャート」を導入したのはそれだけ先行き不透明ということかもしれないですね。

wildernesswolf at 00:01 │Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ! 企業  | 株式マーケット

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