2008年06月02日
アナリストレポート 商品市場(「銀」・5/28発行分)
商品(Commodity)アナリストレポートのサンプルを掲載する。
今回は「銀」である。
前回にも書かせていただいたが、弊社(TIW)では毎月30本の商品アナリストレポートを発行している。
商品業界のスペシャリストの方を集結した「オールスター」コンテンツである。
現在は、7社の商品取引員に対して提供しているので、継続的に読まれたい方はそちらにお問合せを頂きますようお願い致します。
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(5月28日発行分)
供給サイドへの関心集まる〜 銀相場は金相場に対し強含み推移を継続へ 〜
アナリスト 松永 聡慈
・5月に入り貴金属相場が騰勢を取り戻すなか、ドル建て銀価格は再び18ドルを上回った。同期間における金相場との比価は52ポイントから徐々に縮小に向かい、足許では50.6ポイント(5月24日時点)と銀相場の堅調さが目立ち始めている。
・このように銀相場が力強い上昇を見せる要因として、貴金属相場全体の上昇基調回復のほかにトレンド需給への懸念が強まっていることが挙げられよう。07年に前年比3.6%増加し、供給全体の4分の3を占める鉱山生産では最大生産国であるペルーでのスト懸念が広がりを見せており、また生産上位国である中国、チリにおいても、銅など非鉄金属相場同様に供給減少のリスクが高まったことが投資家の需給見通しを一段とポジティブなものとしている。
・COMEXではファンド買い越し幅が5月に入り拡大傾向にあるほか、保有残高増加ペースを著しく鈍化させた金ETFと対照的に銀ETFは緩やかながら確実に残高を積み増している。米国中心に景況悪化に伴う需要低迷の可能性があるものの、足許でその兆候は見られておらず、貴金属相場全体の上昇トレンドが維持されれば、向こう1ヶ月間に金/銀比価は一時的に50ポイントを割り込むまで縮小する公算も大きなものとなろう。短期的な戦略においては、同比価が再び51ポイントを上回る場面での銀買い・金売りのスプレッド・ポジション構築が有効となろう。
<価格高騰にも好調な工業向け加工需要>
・ドル建て銀相場は07年に1980年以来最大となる前年比15.9%上昇し、またユーロ建て銀相場も同6.4%上昇した。また08年1−4月の平均価格はドル建てが同31.2%、ユーロ建てが同14%上昇とドル建てのみならず、その他主要通貨でも価格の大幅な上昇が示された。
・英貴金属調査会社GFMSとThe Silver Instituteが発表した銀需給に関する調査報告書「World Silver Survey 2008」によると、07年の世界の銀需要(加工用)は前年比0.9%増加と価格上昇局面でも底堅さを示した。引き続き写真産業用などの低迷は目立つものの、加工需要全体の54%を占めるまでに至った工業用は、セミ・コンダクター向け需要増加を背景に6年連続で増加(同部門は過去10年間において需要量が44%増加)。電気・電子向け需要は初めて2億オンスを突破するなど、価格弾力性の低い分野では引き続き需要が力強さを見せた。
・一方供給は、新規鉱山生産は一次生産が前年比11%増加と力強い伸びを示したことで前年比3.6%増加。6億7060万オンスと6年連続での供給増加を示現した。とりわけ地域別にでは最大生産国であるペルーのほか、世界第3位の生産国であるチリでの大幅な生産増など南米における生産が大幅に増加、増加分のおよそ50%を占めるに至った。
<懸念広がる南米供給>
・このような環境下、銅生産同様チリにおける鉱山生産に対し電力供給などエネルギー供給懸念による供給減への見通しが広がりを見せたことや、世界第4位の生産国である中国でも1月の暴風雪で減産の可能性が広がったことなどを受け、08年第1四半期の銀相場は供給問題をクローズ・アップする形で非鉄相場との関連性を強めた。同期間における銅相場との相関性は金相場との関連性を上回り、需給問題を背景に銅市況が高値更新に向け上昇基調を強めたのと同様に、銀相場においても先行き需給逼迫懸念が投資家の高い関心を集めたことを強く示唆した。
・また、4月後半以降もペルーでのゼネスト突入への懸念の高まりや、中国・四川での大規模地震発生の影響から供給見通しへの不透明感を一段と強めており、これら動向が投資家の需給見通しに関する関心をいっそうポジティブなものとしている。
<銀相場は対金相場では短期的に強含み推移する公算が大きい>
・前年に増加を示した工業用需要では、電気・電子分野における米国・中国・インドの需要量は全体の70%に達しており、米国中心に景況悪化に伴う需要低迷の可能性があることから、中期的な需給見通しに対し過度に強気バイアスに傾くのはリスクが大きいと思われる。しかしながら、足許の需給ファンダメンタルズに翳りは見られておらず、これら動向を背景に、5月に入りCOMEXではファンド買い越し幅が拡大傾向を強めている。また、保有残高増加ペースを著しく鈍化させる金ETFとは対照的に銀ETFは米国市場(AMEX)上場のiShares Silver Trustのほか、欧州市場に上場されるETFでも新規資金流入の動きが確認されており、独自要因による大幅な上昇は見込み難いものの、貴金属相場全体の上昇トレンドが維持されれば向こう1ヶ月間に金/銀比価が一時的に3月上旬以来となる50ポイント割れまで縮小する公算も大きなものとなろう。
・短期的には同比価が51ポイントを上回る場面では銀買い・金売りのスプレッド・ポジション構築が有効な戦略となると思われる。
今回は「銀」である。
前回にも書かせていただいたが、弊社(TIW)では毎月30本の商品アナリストレポートを発行している。
商品業界のスペシャリストの方を集結した「オールスター」コンテンツである。
現在は、7社の商品取引員に対して提供しているので、継続的に読まれたい方はそちらにお問合せを頂きますようお願い致します。
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(5月28日発行分)
供給サイドへの関心集まる〜 銀相場は金相場に対し強含み推移を継続へ 〜
アナリスト 松永 聡慈
・5月に入り貴金属相場が騰勢を取り戻すなか、ドル建て銀価格は再び18ドルを上回った。同期間における金相場との比価は52ポイントから徐々に縮小に向かい、足許では50.6ポイント(5月24日時点)と銀相場の堅調さが目立ち始めている。
・このように銀相場が力強い上昇を見せる要因として、貴金属相場全体の上昇基調回復のほかにトレンド需給への懸念が強まっていることが挙げられよう。07年に前年比3.6%増加し、供給全体の4分の3を占める鉱山生産では最大生産国であるペルーでのスト懸念が広がりを見せており、また生産上位国である中国、チリにおいても、銅など非鉄金属相場同様に供給減少のリスクが高まったことが投資家の需給見通しを一段とポジティブなものとしている。
・COMEXではファンド買い越し幅が5月に入り拡大傾向にあるほか、保有残高増加ペースを著しく鈍化させた金ETFと対照的に銀ETFは緩やかながら確実に残高を積み増している。米国中心に景況悪化に伴う需要低迷の可能性があるものの、足許でその兆候は見られておらず、貴金属相場全体の上昇トレンドが維持されれば、向こう1ヶ月間に金/銀比価は一時的に50ポイントを割り込むまで縮小する公算も大きなものとなろう。短期的な戦略においては、同比価が再び51ポイントを上回る場面での銀買い・金売りのスプレッド・ポジション構築が有効となろう。
<価格高騰にも好調な工業向け加工需要>
・ドル建て銀相場は07年に1980年以来最大となる前年比15.9%上昇し、またユーロ建て銀相場も同6.4%上昇した。また08年1−4月の平均価格はドル建てが同31.2%、ユーロ建てが同14%上昇とドル建てのみならず、その他主要通貨でも価格の大幅な上昇が示された。
・英貴金属調査会社GFMSとThe Silver Instituteが発表した銀需給に関する調査報告書「World Silver Survey 2008」によると、07年の世界の銀需要(加工用)は前年比0.9%増加と価格上昇局面でも底堅さを示した。引き続き写真産業用などの低迷は目立つものの、加工需要全体の54%を占めるまでに至った工業用は、セミ・コンダクター向け需要増加を背景に6年連続で増加(同部門は過去10年間において需要量が44%増加)。電気・電子向け需要は初めて2億オンスを突破するなど、価格弾力性の低い分野では引き続き需要が力強さを見せた。
・一方供給は、新規鉱山生産は一次生産が前年比11%増加と力強い伸びを示したことで前年比3.6%増加。6億7060万オンスと6年連続での供給増加を示現した。とりわけ地域別にでは最大生産国であるペルーのほか、世界第3位の生産国であるチリでの大幅な生産増など南米における生産が大幅に増加、増加分のおよそ50%を占めるに至った。
<懸念広がる南米供給>
・このような環境下、銅生産同様チリにおける鉱山生産に対し電力供給などエネルギー供給懸念による供給減への見通しが広がりを見せたことや、世界第4位の生産国である中国でも1月の暴風雪で減産の可能性が広がったことなどを受け、08年第1四半期の銀相場は供給問題をクローズ・アップする形で非鉄相場との関連性を強めた。同期間における銅相場との相関性は金相場との関連性を上回り、需給問題を背景に銅市況が高値更新に向け上昇基調を強めたのと同様に、銀相場においても先行き需給逼迫懸念が投資家の高い関心を集めたことを強く示唆した。
・また、4月後半以降もペルーでのゼネスト突入への懸念の高まりや、中国・四川での大規模地震発生の影響から供給見通しへの不透明感を一段と強めており、これら動向が投資家の需給見通しに関する関心をいっそうポジティブなものとしている。
<銀相場は対金相場では短期的に強含み推移する公算が大きい>
・前年に増加を示した工業用需要では、電気・電子分野における米国・中国・インドの需要量は全体の70%に達しており、米国中心に景況悪化に伴う需要低迷の可能性があることから、中期的な需給見通しに対し過度に強気バイアスに傾くのはリスクが大きいと思われる。しかしながら、足許の需給ファンダメンタルズに翳りは見られておらず、これら動向を背景に、5月に入りCOMEXではファンド買い越し幅が拡大傾向を強めている。また、保有残高増加ペースを著しく鈍化させる金ETFとは対照的に銀ETFは米国市場(AMEX)上場のiShares Silver Trustのほか、欧州市場に上場されるETFでも新規資金流入の動きが確認されており、独自要因による大幅な上昇は見込み難いものの、貴金属相場全体の上昇トレンドが維持されれば向こう1ヶ月間に金/銀比価が一時的に3月上旬以来となる50ポイント割れまで縮小する公算も大きなものとなろう。
・短期的には同比価が51ポイントを上回る場面では銀買い・金売りのスプレッド・ポジション構築が有効な戦略となると思われる。

