2008年06月21日
アナリストレポート 商品市場(「穀物」・6/18発行分)
商品市況の高騰が、経済に与える影響が顕著になってから商品市況に興味を持った方も多いのではないだろうか。実は、小生もそんな1人だ。昨年夏頃から商品アナリストレポートの企画を進め始めたころから商品関連・商品取引の書籍を読むようになった。読みなれてくると株式とはまた違った面白さが出てくる。
さて、今週も商品(Commodity)アナリストレポートのサンプルを掲載する。
今回は「穀物」である。毎回お断りを入れさせていただいているが、弊社(TIW)では毎月30本の商品アナリストレポートを発行している。
商品業界のスペシャリストの方を集結した「オールスター」コンテンツである。
現在は、7社の商品取引員に対して提供しているので、継続的に読まれたい方はそちらにお問合せを頂きますようお願い致します。
TIWレポート提供先一覧
(6月18日発行分)
アイオワの洪水被害が深刻化
〜 トウモロコシの生産高は大幅減少へ 〜
アナリスト 齋藤 和彦
・米国最大の穀物生産地であるアイオワが洪水によって甚大な被害を受けている。6月に入ってすでに200ミリ以上の雨を各地で記録し、アイオワ川の堤防が一部決壊し、多くの市民が避難を余儀なくされている。トウモロコシや大豆を作付した農地の一部も洪水によって冠水の被害を受け、アイオワでは15%〜20%の農地の作付ロスの可能性が指摘されている。
・ところで、アイオワのトウモロコシ作付意向面積は1320万エーカー(前年度実績は1420万エーカー)で、米国全体の15.3%を占める。生産高でみると、そのシェアは一層高まる。前年度実績の作付面積は1420万エーカーであるが、シェアは15.2%。ただ、生産高のシェアは18.1%に拡大する。表1は、2000年度以降のトウモロコシにおける全米の平均イールドとアイオワのイールドを示したものであり、アイオワのイールドは絶えず全米平均を上回っている。つまり、アイオワの作柄が米国の水準を引き上げていることを意味しており、もし、アイオワの作柄悪化によってイールドが低下すれば、米国のトウモロコシや大豆の生産高が予想以上に低い数字になりかねないといえる。
・米農務省は6月の需給報告で、全米平均のトウモロコシのイールドを153.9ブッシェルから148.9ブッシェルに大幅下方修正している。ここにきて、洪水による被害を受け、17日にクレディ・スイスのアナリストは145.0ブッシェルとの予想を明らかにしている。また、ファーム・フューチャーズ誌は米コーンベルト全体で洪水の被害によって、トウモロコシの330万エーカーが失われたとの報告をしている。
・作付面積を8200万エーカー、イールドを145.0ブッシェルとして生産高を算出すると、109億1500万ブッシェルとなる。6月の需給報告での机上の生産高予想は117億3500万ブッシェルであり、これと比較すれば、8億2000万ブッシェルも少なくなる。期末在庫が6億7300万ブッシェルだっただけに、極めてタイトな在庫水準になる可能性を秘めているのが現状である。
・その意味で、6月末に米農務省が発表する作付面積が注目される。ただし、この作付面積は5月下旬から6月上旬の実地調査等をベースにしており、今回の洪水の被害を十分表した数字にならないとみられている。このため、米農務省は7月の需給報告において、改めて作付面積を明らかにするとの意向も示している。それだけ状況が深刻であるということである。
・ブッシュ米大統領は木曜日に洪水の被害を把握するため、米中西部を訪問する予定である。
・7月からはトウモロコシの受粉期に入る。洪水の被害で、黄化萎縮病や茎の腐敗になり易い環境にある。このため、7月の熱い天気に耐えられない可能性も十分予想され、イールドはさらに下方修正必至とみる。つまり、第3四半期入りとなる7月にファンド資金がさらに流入し、シカゴトウモロコシはさらに急騰するとみるべきではないか。
・供給タイトなファンダメンタルズを反映しているだけに当局の規制は難しく、8ドルは通過点に過ぎず、熱波となれば10ドルも視野に入ることは避けられないとみる。
さて、今週も商品(Commodity)アナリストレポートのサンプルを掲載する。
今回は「穀物」である。毎回お断りを入れさせていただいているが、弊社(TIW)では毎月30本の商品アナリストレポートを発行している。
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現在は、7社の商品取引員に対して提供しているので、継続的に読まれたい方はそちらにお問合せを頂きますようお願い致します。
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(6月18日発行分)
アイオワの洪水被害が深刻化
〜 トウモロコシの生産高は大幅減少へ 〜
アナリスト 齋藤 和彦
・米国最大の穀物生産地であるアイオワが洪水によって甚大な被害を受けている。6月に入ってすでに200ミリ以上の雨を各地で記録し、アイオワ川の堤防が一部決壊し、多くの市民が避難を余儀なくされている。トウモロコシや大豆を作付した農地の一部も洪水によって冠水の被害を受け、アイオワでは15%〜20%の農地の作付ロスの可能性が指摘されている。
・ところで、アイオワのトウモロコシ作付意向面積は1320万エーカー(前年度実績は1420万エーカー)で、米国全体の15.3%を占める。生産高でみると、そのシェアは一層高まる。前年度実績の作付面積は1420万エーカーであるが、シェアは15.2%。ただ、生産高のシェアは18.1%に拡大する。表1は、2000年度以降のトウモロコシにおける全米の平均イールドとアイオワのイールドを示したものであり、アイオワのイールドは絶えず全米平均を上回っている。つまり、アイオワの作柄が米国の水準を引き上げていることを意味しており、もし、アイオワの作柄悪化によってイールドが低下すれば、米国のトウモロコシや大豆の生産高が予想以上に低い数字になりかねないといえる。
・米農務省は6月の需給報告で、全米平均のトウモロコシのイールドを153.9ブッシェルから148.9ブッシェルに大幅下方修正している。ここにきて、洪水による被害を受け、17日にクレディ・スイスのアナリストは145.0ブッシェルとの予想を明らかにしている。また、ファーム・フューチャーズ誌は米コーンベルト全体で洪水の被害によって、トウモロコシの330万エーカーが失われたとの報告をしている。
・作付面積を8200万エーカー、イールドを145.0ブッシェルとして生産高を算出すると、109億1500万ブッシェルとなる。6月の需給報告での机上の生産高予想は117億3500万ブッシェルであり、これと比較すれば、8億2000万ブッシェルも少なくなる。期末在庫が6億7300万ブッシェルだっただけに、極めてタイトな在庫水準になる可能性を秘めているのが現状である。
・その意味で、6月末に米農務省が発表する作付面積が注目される。ただし、この作付面積は5月下旬から6月上旬の実地調査等をベースにしており、今回の洪水の被害を十分表した数字にならないとみられている。このため、米農務省は7月の需給報告において、改めて作付面積を明らかにするとの意向も示している。それだけ状況が深刻であるということである。
・ブッシュ米大統領は木曜日に洪水の被害を把握するため、米中西部を訪問する予定である。
・7月からはトウモロコシの受粉期に入る。洪水の被害で、黄化萎縮病や茎の腐敗になり易い環境にある。このため、7月の熱い天気に耐えられない可能性も十分予想され、イールドはさらに下方修正必至とみる。つまり、第3四半期入りとなる7月にファンド資金がさらに流入し、シカゴトウモロコシはさらに急騰するとみるべきではないか。
・供給タイトなファンダメンタルズを反映しているだけに当局の規制は難しく、8ドルは通過点に過ぎず、熱波となれば10ドルも視野に入ることは避けられないとみる。

