2008年06月30日
アナリストレポート 商品市場(「穀物(砂糖)」・6/27発行分)
毎日の新聞報道の中で、値上げに対する記述が日に日に増えているように思える。
さて、今週も商品(Commodity)アナリストレポートのサンプルを掲載する。
今回は「砂糖」である。毎回お断りを入れさせていただいているが、弊社(TIW)では毎月30本の商品アナリストレポートを発行している。
商品業界のスペシャリストの方を集結した「オールスター」コンテンツである。
現在は、7社の商品取引員に対して提供しているので、継続的に読まれたい方はそちらにお問合せを頂きますようお願い致します。
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(6月27日発行分)
エタノール需要増加で、砂糖も上昇へ〜 原油、コーンとの比較で割安感強い 〜
アナリスト 陳 晁熙
・ドル相場の先安感と原油価格の高騰がもたらすインフレ懸念から、NY砂糖相場も9週間ぶりの高値に上昇した。G8でもドル上昇へのてこ入れがなされなかったことから、ドルはユーロに対し一週間以上ぶりの安値を更新した。ドルの軟化により、原油や穀物等のドル建て商品市場は割安となるため、上昇しやすいという構図は変わっていない。
・ロイター・ジェフリーズCRB指数も最高水準まで上昇した。原油相場は130〜140ドルの過去最高値圏で推移し、コーン相場は史上最高値を更新し、期先ものは一時8ドル台をつけた。コーン市場は、この15年で観測された中で最悪の洪水によって中西部地区の農地が浸水してしまったことから、一部地域では今年のコーン生産が激減する可能性が高まった。在庫率が低下している中で、供給懸念が強まったことから、コーン相場は6月初旬から27%も急騰した。逆に、NY砂糖相場は3月3日の年初来高値15.07セントからおよそ3ヶ月も下げ続け、37%もの下落となり、コーンとの比較で割安感が強まっている。
・米国は世界最大のコーン生産国で、ブラジルはサトウキビから生産されるエタノールの世界最大生産国だ。ブラジルではサトウキビからエタノールを生産し、米国ではコーンから生産するが、世界的なガソリン価格の高騰によりどちらもエタノールに対する需要は拡大している。ブラジルではガソリンでもエタノールでも使用できるフレックス車が、新車販売の約8割、年間約150万台と出荷されており大半を占めるに至り、多くのブラジル国民がサトウキビから産出されるエタノールを燃料として使用している。現在砂糖から産出される燃料はブラジルで利用されるエネルギー源として化石燃料につぐ量となっている。
・同国ではサトウキビ精製によって昨年60億ガロンのエタノールが産出され、生産高は2016年までに160%拡大することが見込まれている。ブラジルには320のエタノール工場が点在しているが、迫る需要の高まりから向こう10年でさらに150件増加する見込みだ。
・コーン価格が史上最高値を更新し続けているため、コーン原料のエタノール価格が上昇し、採算が悪化していることから、砂糖から精製されるエタノールが割安感から購入しやすくなっている。そのため、「コーン急騰→米国産エタノール価格上昇→ブラジル産エタノール需要増加→砂糖のエタノール生産へのシフト→砂糖価格の上昇」という連想が働き、ブラジルでは、より多くのサトウキビをエタノール生産に割り当てる可能性が高く、砂糖への供給が減少することから砂糖相場は上昇しやすくなるだろう。サンパウロ州サトウキビ農工業連合会(UNICA)の発表によると、5月中旬日までの時点でブラジルの主要サトウキビ生産地区で収穫されたサトウキビの65%近くがエタノール生産に割り当てられた。昨年精製所は2006年実績の51%を上回る、過去最高となる56%のサトウキビをエタノール生産に割り当てた。
・また、砂糖のエタノール需要が増加すると、2008/09年度における世界的な砂糖バランスの過不足は、ブラジル次第になる可能性が強まる。2008年のブラジル中央南部地区におけるサトウキビ生産高は、4億9,500万トンと、2007年を15%上回る見込み。このうち、サトウキビの42%を砂糖生産に割り当て、58%をエタノール生産に割り当てることで、2,900万トンの砂糖と2,400立方メートルのエタノールが産出されることになる。しかし精製所が割り当てを決める際、砂糖とエタノール価格が最も重要な要素となる。
・現在各々の収益率は殆ど変わらないが、将来においては変わる可能性がある。砂糖生産への割り当てが1%でも増加すれば、砂糖生産高は70万トン増加し、エタノール生産高は40万立方メートル減少することになる。砂糖とエタノール生産は、国内のエタノール需要と輸出面からの要請でバランスされる。しかし、ブラジル通貨レアルがここ数年の間に、対米ドルで上昇していることや、エタノールの生産コストの上昇から、輸出が困難になっているという側面を見逃してはならない。これを解決するには、やはり砂糖価格の上昇ということになろう。
・NY砂糖相場は、200日、100日、50日の主要な移動平均線をブレイクして、上昇しやすい状況になった。穀物に比べて出遅れ感が強く、需要増加という期待があるためファンド資金も入りやすい。NY砂糖相場は15セントを超える上昇相場になると予想する。
さて、今週も商品(Commodity)アナリストレポートのサンプルを掲載する。
今回は「砂糖」である。毎回お断りを入れさせていただいているが、弊社(TIW)では毎月30本の商品アナリストレポートを発行している。
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現在は、7社の商品取引員に対して提供しているので、継続的に読まれたい方はそちらにお問合せを頂きますようお願い致します。
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(6月27日発行分)
エタノール需要増加で、砂糖も上昇へ〜 原油、コーンとの比較で割安感強い 〜
アナリスト 陳 晁熙
・ドル相場の先安感と原油価格の高騰がもたらすインフレ懸念から、NY砂糖相場も9週間ぶりの高値に上昇した。G8でもドル上昇へのてこ入れがなされなかったことから、ドルはユーロに対し一週間以上ぶりの安値を更新した。ドルの軟化により、原油や穀物等のドル建て商品市場は割安となるため、上昇しやすいという構図は変わっていない。
・ロイター・ジェフリーズCRB指数も最高水準まで上昇した。原油相場は130〜140ドルの過去最高値圏で推移し、コーン相場は史上最高値を更新し、期先ものは一時8ドル台をつけた。コーン市場は、この15年で観測された中で最悪の洪水によって中西部地区の農地が浸水してしまったことから、一部地域では今年のコーン生産が激減する可能性が高まった。在庫率が低下している中で、供給懸念が強まったことから、コーン相場は6月初旬から27%も急騰した。逆に、NY砂糖相場は3月3日の年初来高値15.07セントからおよそ3ヶ月も下げ続け、37%もの下落となり、コーンとの比較で割安感が強まっている。
・米国は世界最大のコーン生産国で、ブラジルはサトウキビから生産されるエタノールの世界最大生産国だ。ブラジルではサトウキビからエタノールを生産し、米国ではコーンから生産するが、世界的なガソリン価格の高騰によりどちらもエタノールに対する需要は拡大している。ブラジルではガソリンでもエタノールでも使用できるフレックス車が、新車販売の約8割、年間約150万台と出荷されており大半を占めるに至り、多くのブラジル国民がサトウキビから産出されるエタノールを燃料として使用している。現在砂糖から産出される燃料はブラジルで利用されるエネルギー源として化石燃料につぐ量となっている。
・同国ではサトウキビ精製によって昨年60億ガロンのエタノールが産出され、生産高は2016年までに160%拡大することが見込まれている。ブラジルには320のエタノール工場が点在しているが、迫る需要の高まりから向こう10年でさらに150件増加する見込みだ。
・コーン価格が史上最高値を更新し続けているため、コーン原料のエタノール価格が上昇し、採算が悪化していることから、砂糖から精製されるエタノールが割安感から購入しやすくなっている。そのため、「コーン急騰→米国産エタノール価格上昇→ブラジル産エタノール需要増加→砂糖のエタノール生産へのシフト→砂糖価格の上昇」という連想が働き、ブラジルでは、より多くのサトウキビをエタノール生産に割り当てる可能性が高く、砂糖への供給が減少することから砂糖相場は上昇しやすくなるだろう。サンパウロ州サトウキビ農工業連合会(UNICA)の発表によると、5月中旬日までの時点でブラジルの主要サトウキビ生産地区で収穫されたサトウキビの65%近くがエタノール生産に割り当てられた。昨年精製所は2006年実績の51%を上回る、過去最高となる56%のサトウキビをエタノール生産に割り当てた。
・また、砂糖のエタノール需要が増加すると、2008/09年度における世界的な砂糖バランスの過不足は、ブラジル次第になる可能性が強まる。2008年のブラジル中央南部地区におけるサトウキビ生産高は、4億9,500万トンと、2007年を15%上回る見込み。このうち、サトウキビの42%を砂糖生産に割り当て、58%をエタノール生産に割り当てることで、2,900万トンの砂糖と2,400立方メートルのエタノールが産出されることになる。しかし精製所が割り当てを決める際、砂糖とエタノール価格が最も重要な要素となる。
・現在各々の収益率は殆ど変わらないが、将来においては変わる可能性がある。砂糖生産への割り当てが1%でも増加すれば、砂糖生産高は70万トン増加し、エタノール生産高は40万立方メートル減少することになる。砂糖とエタノール生産は、国内のエタノール需要と輸出面からの要請でバランスされる。しかし、ブラジル通貨レアルがここ数年の間に、対米ドルで上昇していることや、エタノールの生産コストの上昇から、輸出が困難になっているという側面を見逃してはならない。これを解決するには、やはり砂糖価格の上昇ということになろう。
・NY砂糖相場は、200日、100日、50日の主要な移動平均線をブレイクして、上昇しやすい状況になった。穀物に比べて出遅れ感が強く、需要増加という期待があるためファンド資金も入りやすい。NY砂糖相場は15セントを超える上昇相場になると予想する。

