2008年08月28日

アナリストレポート 商品市場(「貴金属(金・銀)」・8/26発行分)

ここのところ商品相場が動いていたが、暫く商品(Commodity)アナリストレポートの紹介が無かったので、掲載する。

今回は「金・銀」である。毎回お断りを入れさせていただいているが、弊社(TIW)では毎月30本以上の商品アナリストレポートを発行している。
商品業界のスペシャリストの方を集結した「オールスター」コンテンツである。
毎日、ご覧になられたい方は、下記のレポート提供先をご確認下さい。

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(8月26日発行分)
投資家の見通しは引き続きポジティブ〜 金:銀比価は再び銀強含み推移へと回帰する見通し 〜アナリスト 松永 聡慈

投機資金の動きは市場への信頼水準が一段と悪化したことを示している。ファンド勢によるNY銀先物市場(COMEX)のネット・ロング・ポジションは年初来最低を更新し、ポジション調整の動きが続くなか、保有高はついに1000トンを下回った。

・金相場との関連性において、両者の比価は年初からほぼ一貫して銀相場強含みで推移が続いてきたが8月以降は大幅な水準訂正の動きが見られ、足許で比価はおよそ2年半ぶりに60を上回る水準まで拡大した。しかしながら、このような動きが銀市場の価格アップサイドの可能性が消滅したことを意味するものとは考えにくい。銀相場の需給見通しに引き締まりの感はないものの、各商品の異なる需給ダイナミクスに関係なく価格が急落するなかで、実需家勢の動向は価格下落とともに国内外で活発化している。

・また銀ETFに関する動向においては、8月初旬に小幅な残高減少が見られたものの、中旬以降は再び保有残高の増加が確認されることは銀相場の価格低下により長期保有を目的とする投資家の関心が高まっていることを強く示唆するものであると思われる。

・短期的には今後も金相場の動向次第の展開が続くものと考えられものの、さらに一段レンジを切り下げるような大幅調整局面にむかうこととならない限り、足許で拡大する比価水準を正当化する材料を見出すのは困難といえよう。金相場に調整一巡ムードが広がるに従い、早期に比価は縮小に向かうものと考える。


≪COMEXにおけるファンドのネット買い越し幅は年初来最低水準へ≫

・投機資金の動きは市場への信頼水準が一段と悪化したことを示している。CFTCが前週末に発表した19日時点におけるファンド勢によるNY銀先物市場(COMEX)のネット・ロング・ポジションは過去6週連続で減少と、ポジション調整の動きが続くなか年初来最低を更新するとともに保有高は直近ピーク(2月26日時点)からおよそ41%減少、981.8トンとついに1000トンを下回った。

・このように先物市場で大幅なポジション解消が局面において、金相場との比価にも大幅な水準訂正が見られる。両者の比価は年初の56付近から3月には48まで縮小するなど年初からほぼ一貫して銀相場強含みで推移を続けてきたが、足許ではおよそ2年半ぶりに60を上回る水準まで比価は拡大している。


≪金:銀比価拡大局面で活発化する実需買い、ETF残高は投資家の関心の高まりを示唆≫

・しかしながら、このような動きが銀市場の価格アップサイドの可能性が消滅したことを意味するものであるとは考えにくい。銀相場の需給見通しにタイト化の兆しは依然として希薄ながらも、各商品の異なる需給ダイナミクスに関係なく価格が急落するなかで、実需家勢の動向は工業用ユーザーを中心に価格下落とともに国内外で活発化の様相を強めており、リースレートが小幅ながら上昇するなど、足許の需要動向からは力強さが見られる。

・また、銀ETFに関する動向においても、8月初旬に小幅な残高減少が見られたものの、金はじめプラチナ市場などでは資金流出が続いているのとは対照的に、中旬以降は再び保有残高が増加に転じている。AMEX上場の「iShares Silver Trust」の現物保有残高が前週末時点で6474.04トンに達し過去最高を更新したことは、COMEXにおける投機的投資家の動向とは異なり、銀相場の価格低下により長期保有を目的とする投資家の関心が高まっていることを強く示唆するものであるといえよう。


≪足許で見られる比価拡大を正当化するような材料を見出すのは困難≫

・金相場との高い関連性は続いていることから、独自要因で短期的に急反発する可能性は低いと思われる。短期的には今後も金相場の動向次第の展開が続くものと考えられるが、さらに一段レンジを切り下げるような大幅調整局面にむかう展開とならない限り、足許での比価拡大を正当化するような材料を見出すのは困難といえよう。金相場に調整一巡ムードが広がるに従い、比価は縮小に向かうものと考えられる。今後の投資ストラテジーとしては、銀のブル・スプレッドポジション構築が好ましいだろう。

・また、すでに年初以降15ドル水準から積み上がったロング・ポジションについて、ポジション解消はほぼ完了したものと考える。COMEXでの大口投機家のネット・ロング・ポジションは早期に再び増加に転じることとなろう。金:銀相場の比価は向こう1ヶ月間に55ポイント付近までの縮小を見込む。金相場が850ドルを回復できれば、銀相場は15.5ドル付近までの上昇が可能となろう。


wildernesswolf at 23:59│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!Commodity(商品) 

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