最近、金価格が再び上昇トレンドにあるようだ。
先週末のTIWメルマガでも金とプラチナを紹介したが、金の最新アナリストレポートを紹介する。
毎回お断りを入れさせていただいているが、弊社(TIW)では毎月30本以上の商品(Commodityアナリストレポートを発行している。
商品業界のスペシャリストの方を集結した「オールスター」コンテンツである。
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(9月29日発行分)
引き続き中長期金利の動向がポイント
〜 金利低下見通しのもと、金相場は10−12月期も底堅く推移 〜
アナリスト 松永 聡慈
・市場の焦点は現在米国議会で議論が進む7000億ドルにのぼる金融安定化策が議会の合意を得られるかという一点に注がれている。同法案成立は金融機関に対する間接的な公的資金注入に等しく、米国政府は市場主義から脱却し、大規模な公的資金注入へと方針をシフトしつつある。
・信用不安が深まれば深まるほど、リスク性資産に対する投資家の関心は低下し、より低リスクの資産である国債、そして金の投資意欲は高まる。信用不安が実体経済に悪影響を及ぼしているという認識に立てば、先行きの成長率悪化に対する懸念が債権利回りに低下圧力を、そして金相場に上昇圧力を及ぼす公算は大きい。
・10−12月期を見通した場合、一段の金利低下も想定される。なお、短期金利の低下に比べ、中期セクターには割安感がある2、5年セクターなどを中心に金利低下圧力は強まる可能性が高いと思われる。足許では米2年債利回りと金相場の関係性は適正レベルにあると判断されるものの、金利低下圧力が強まり、同利回りが明確に2%を下回る場合には、金相場は一時的に950ドル付近まで上昇する可能性があろう。
≪各国中銀による積極的な流動性供給にも改善しないクレジット環境≫
・7−9月期は焦点であったインフレ懸念の動きが杞憂に終わり、前四半期には最悪期を脱していたと思われた米国の金融危機問題が再燃した。そして、その根底に流れていたのはグローバル景気の減速である。既に5−6月期から見られ始めていたクレジット・スプレッドの拡大や新興国株の下落基調は、デカップリング論の後退を促すとともに先進国の金融セクターの混乱がより広範にわたって実態経済に悪影響を及ぼす可能性を示唆していたといえる。7月以降の原油相場の大幅調整によってグローバル金融市場の焦点は表面的なインフレ懸念から確実な景況悪化の認識の拡大とともに信用収縮・需要減退へと完全に移行している。
・9月以降に起こったGSEの政府による救済、リーマン・ブラザーズの破綻、メリルリンチの合併、AIGに対する政府支援と金融再編が目まぐるしいほどの速度で進み、足許では市場の焦点は現在米国議会で議論が進む7000億ドルにのぼる金融安定化策が議会の合意を得られるかという一点に注がれている。同法案成立は金融機関に対する間接的な公的資金注入に等しく、米国政府は市場主義から脱却し、大規模な公的資金注入へと方針をシフトしつつある。
・金融再編が進むなか、資金調達市場のひっ迫した状況は続いており、9月期末を控え市場のストレスはさらに高まっている。米ドルでのLIBOR上昇は著しく、各国中央銀行がFedと協調しスワップを通じて米ドルの供給を続けているにもかかわらず、逼迫感は一向に改善していないどころか急激に悪化の度合いを強めている。すなわちこれは、インターバンク市場金利の対政策金利スプレッド拡大は実質的には金融引き締まりを意味しており、各国中銀の積極的な流動性対策にもかかわらずスプレッドが縮小しない状況が続けば、政策金利引き下げの必要性がこれまで以上に強く意識される可能性も高まろう。
≪先行きの成長率悪化に対する懸念が金相場に上昇圧力を及ぼす≫
・信用不安が深まれば深まるほど、リスク性資産に対する投資家の関心は低下し、より低リスクの資産である国債、そして金の投資意欲は高まる。10−12月期を見通した場合、やはり目先の焦点は現在米国議会で協議が進む金融安定化策が早期に合意を見るかということに注がれることとなろう。
・ただ、その過程では質への逃避、またそのアンワインドの動きが大きくなる可能性は高い。だが信用不安が実体経済に悪影響を及ぼしているという認識に立てば、先行きの成長率悪化に対する懸念が債権利回りに低下圧力を、そして金相場に上昇圧力を及ぼす公算は大きいといえる。
・短期的には実際に信用不安が薄らぐのかどうか、またグローバル経済の成長率鈍化に底打ちが見られるのかがポイントになる。つまり、同法案が成立に向け前進を見せるなかで金融機関の潜在的資本不足が解消に向かうとの楽観見通しが広がりを見せることが重要となる。だが、新築住宅販売価格に下げ止まりの兆しがあることや在庫の急減は明るい材料ながらも、ここ数日の動向を見る限り、短期金融市場の信用不安は一向に落ち着く気配がない。
≪米2年債利回りが明確に2%を下回る局面で金相場は950ドルを上回る可能性≫
・市場のFedの金融緩和に対する期待に大きな変化がないなか、金ETFの残高は過去最高を更新するなど、これまでの上昇を牽引してきた投機的行動を除く要素をきっかけに再び金相場を900ドルの大台回復に押し上げた。これまで述べてきたように、グローバル経済の成長率の底打ちが見られる前の金利急騰はその後の大幅な金利低下につながる可能性が高いと考えられることから、成長率に底打ちの兆しが見られるまでは金利は低位での安定推移が見込まれる。
・なお10−12月期を見通した場合には、一段の金利低下も想定される。短期金利の低下に比べ、中期セクターには割安感があることから、金利低下圧力は主に2、5年セクターなどで強まる可能性が高いだろう。足許における米2年債利回りと金相場の関係性では金相場の水準はほぼ適正レベルにあると判断されるものの、金利低下圧力が強まり、同利回りが明確に2%を下回る局面をむかえる場合には、金相場は一時的に950ドル付近まで上昇する可能性があろう。
・このように10−12月期においても引き続き中長期金利の動向が金相場の動向を見極める上での最重要ファクターであると考える。中期的な金利低下見通しを背景に金相場は引き続き堅調推移が見込まれる。
以上
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9月29日現在 10位 ≪総合:ウイークリー / 625エントリー中≫
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アナリスト 松永 聡慈
・市場の焦点は現在米国議会で議論が進む7000億ドルにのぼる金融安定化策が議会の合意を得られるかという一点に注がれている。同法案成立は金融機関に対する間接的な公的資金注入に等しく、米国政府は市場主義から脱却し、大規模な公的資金注入へと方針をシフトしつつある。
・信用不安が深まれば深まるほど、リスク性資産に対する投資家の関心は低下し、より低リスクの資産である国債、そして金の投資意欲は高まる。信用不安が実体経済に悪影響を及ぼしているという認識に立てば、先行きの成長率悪化に対する懸念が債権利回りに低下圧力を、そして金相場に上昇圧力を及ぼす公算は大きい。
・10−12月期を見通した場合、一段の金利低下も想定される。なお、短期金利の低下に比べ、中期セクターには割安感がある2、5年セクターなどを中心に金利低下圧力は強まる可能性が高いと思われる。足許では米2年債利回りと金相場の関係性は適正レベルにあると判断されるものの、金利低下圧力が強まり、同利回りが明確に2%を下回る場合には、金相場は一時的に950ドル付近まで上昇する可能性があろう。
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・9月以降に起こったGSEの政府による救済、リーマン・ブラザーズの破綻、メリルリンチの合併、AIGに対する政府支援と金融再編が目まぐるしいほどの速度で進み、足許では市場の焦点は現在米国議会で議論が進む7000億ドルにのぼる金融安定化策が議会の合意を得られるかという一点に注がれている。同法案成立は金融機関に対する間接的な公的資金注入に等しく、米国政府は市場主義から脱却し、大規模な公的資金注入へと方針をシフトしつつある。
・金融再編が進むなか、資金調達市場のひっ迫した状況は続いており、9月期末を控え市場のストレスはさらに高まっている。米ドルでのLIBOR上昇は著しく、各国中央銀行がFedと協調しスワップを通じて米ドルの供給を続けているにもかかわらず、逼迫感は一向に改善していないどころか急激に悪化の度合いを強めている。すなわちこれは、インターバンク市場金利の対政策金利スプレッド拡大は実質的には金融引き締まりを意味しており、各国中銀の積極的な流動性対策にもかかわらずスプレッドが縮小しない状況が続けば、政策金利引き下げの必要性がこれまで以上に強く意識される可能性も高まろう。
≪先行きの成長率悪化に対する懸念が金相場に上昇圧力を及ぼす≫
・信用不安が深まれば深まるほど、リスク性資産に対する投資家の関心は低下し、より低リスクの資産である国債、そして金の投資意欲は高まる。10−12月期を見通した場合、やはり目先の焦点は現在米国議会で協議が進む金融安定化策が早期に合意を見るかということに注がれることとなろう。
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・市場のFedの金融緩和に対する期待に大きな変化がないなか、金ETFの残高は過去最高を更新するなど、これまでの上昇を牽引してきた投機的行動を除く要素をきっかけに再び金相場を900ドルの大台回復に押し上げた。これまで述べてきたように、グローバル経済の成長率の底打ちが見られる前の金利急騰はその後の大幅な金利低下につながる可能性が高いと考えられることから、成長率に底打ちの兆しが見られるまでは金利は低位での安定推移が見込まれる。
・なお10−12月期を見通した場合には、一段の金利低下も想定される。短期金利の低下に比べ、中期セクターには割安感があることから、金利低下圧力は主に2、5年セクターなどで強まる可能性が高いだろう。足許における米2年債利回りと金相場の関係性では金相場の水準はほぼ適正レベルにあると判断されるものの、金利低下圧力が強まり、同利回りが明確に2%を下回る局面をむかえる場合には、金相場は一時的に950ドル付近まで上昇する可能性があろう。
・このように10−12月期においても引き続き中長期金利の動向が金相場の動向を見極める上での最重要ファクターであると考える。中期的な金利低下見通しを背景に金相場は引き続き堅調推移が見込まれる。
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