「経済倫理=あなたは、なに主義」(橋本努著:講談社選書メチエ)は面白かった。

基本的なイデオロギー八類型(新保守主義、新自由主義、リベラリズム、国家型コミュニタリアニズム、地域型コミュニタリズム、リバタリアニズム、マルクス主義・啓蒙主義(1)、平等主義・啓蒙主義(2))を対立する4種の概念からまずは分類・説明している。

利益/道徳
原理としての善/秩序としての善
包摂主義/非包摂主義
自由な関係性/人為的リベラル

私(藤根)自身は基本的な八類型には当てはまらずに、著者が命名した『近代卓越主義』という分類に入ったようだ。
『近代卓越主義』の立場は、「経済社会は利益よりも道徳を優先すべき」、「原理としての善よりも秩序としての善を重んじる」、「自由な関係性よりも人為的なリベラル制を優先すべき」、「政府主導の倫理形成を避けるべき」と考えている。
別のチェックテストでは、政治的自由度は保守的で、経済的自由度は革新的と出た。(⇒「保守主義」)

個人的には自民党には一度も投票したことが無いのに何故?という感じだが・・・・


さらに、本書ではこうしたイデオロギーの背景にある価値観をPVQ(=Portrait Value Questionnaire)アンケートで探ってゆく。
主要国(13カ国)の平均的な人々が重んじる上位が、「慈愛心」、「自己統御」、「普遍主義」であるのに対して、私自身は「「自己統御」、「安全」、「刺激」とでた。
独立した思考による行為の選択、創造、探求や新奇性や変化を求める傾向が強いようだ。

知的自律、情緒的自律が強く表れており、こうしたモノを重んじるお国柄としてはフランス圏(フランス、スイス、カナダ)の人に極めて近いようだ。
ちなみに日本人は結果として、世界的には中庸な場所に位置するのだが、本来は対立する概念を同時に支持することができるという摩訶不思議、唯一特異な存在であるそうだ(私はフランス圏で良かったのかも?)。

さて、私達の価値観は、伝統、生い立ち、経済などの社会環境、つまりはマルクスの言うところの「意識は下部構造によって規定される」にあるように他律的、依存的な側面を持つ。
著者も述べているが、「自分の価値観を主体的・自律的に形成するためには、たんに自分がこれまで抱いてきた価値観を明確にするだけでなく、実践が必要になる」。

さて、あなたの価値観・イデオロギーは主体的・自律的なものですか?
株式投資に勝つためには、自己分析を今一度しっかりやってみるのも良いかもしれない。



余談ですが、この著書の話を米国系証券の某有名アナリストY氏にしたら早速、本を購入したみたいだった。10年以上No.1を維持している人はやっぱり何事においても取り組み姿勢が違いますよね。


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