Daily MONEY JAPANに隔週で寄稿することになりました。
本日発行分の原稿を転載します。

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東洋水産(東1・2875)

東洋水産は、マルちゃんの「赤いきつね」「緑のたぬき」でおなじみの即席め
ん大手です。もともとは水産卸業として冷蔵・冷凍事業からスタートした会社
で、現在でも売上高の14%を水産および冷蔵事業が占めています。

近年、大手スーパーなどのPB(プライベート・ブランド)商品向けの比重が高
まったことで、売上高は伸び悩むものの、販促費などの抑制や原材料安メリッ
トから、前期に続いて2010年3月期も営業利益で2割の増益が見込まれます。

10年3月期の会社計画では、売上高3160億円、営業利益300億円、経常利益
310億円、当期利益1858億円。この水準は、売上高こそ日清食品ホールディン
グス(東1・2897)の10年3月期見通し3780億円に劣るものの、経常利益、
当期利益は同額となっています。

それにも関わらず、時価総額は日清食品ホールディングスが3641億円であるの
に対して、東洋水産は2779億円と、4分の3の水準でしかありません。

ROE(自己資本利益率)を見ると、日清食品ホールディングスの7.8%に対して、
東洋水産は11.0%。自己資本比率は68.6%と、日清食品ホールディングスをわ
ずかに上回っており、極めて健全性が高いといえます。さらに加えれば、北米
を中心とした海外売上高比率は東洋水産が17%、日清食品ホールディングスは
14%と、海外進出でも遅れてはいません。

アナリストカバレッジも、日清食品12人に対して東洋水産10人と遜色がありま
せん。日清食品ホールディングスはアナリスト12人中7人が「中立」であるのに
対して(他の5人は「強気」)、東洋水産は全員が「強気」です。

どうして東洋水産は割安なのでしょうか。考えられる理由は、3つあります。

一つは、設備投資に積極的な日清食品ホールディングスに対して、東洋水産は
これまで慎重なスタンスを取ってきたこと(増産余力が低い)。二つ目、はIR
(投資家向け広報)の開示が日清食品ホールディングスの方が積極的であるこ
と。三つ目は、単元株(=売買単位)です。

100株単位の日清食品ホールディングスの株は31万円(3100円×100株)で購
入できますが、1000株単位の東洋水産では248万円(2480円×1000株)が必
要になります。結果として、株主数も日清食品ホールディングスの6分の1にと
どまっているのです。

売買単位は会社側の政策であるだけに何ともいいようがありませんが、こうし
たバリュエーション(企業の利益・資産などの企業価値に対して、株価が相対
的に割安か割高かを判断すること)上のアンバランスは、株式市場の活性化に
よって外国人をはじめとした機関投資家が本格的に動き出せば、すぐにでも埋
まってきます。日清食品ホールディングス並みのバリュエーションが得られる
のであれば、3000円台に向けた株価水準切り上げの動きとなるでしょう。


[3/15終値] 2480円
[売買単位] 1000株
[連結PER]  14.8倍
[連結PBR]  1.79倍
[配当利回り]1.61%


(当ブログは、藤根靖晃の個人的な意見を著したものであり、株式会社ティー・アイ・ダヴリュの公式見解を表すものではありません。書かれた内容についての完全性、適時性を保証するものではありません。また、投資に当たっては、自己の判断と責任で行うようにお願い申し上げます。直接的間接的の如何を問わず、投資に関わる一切の結果について責任を負うものではありません。)


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