1Q決算は“膿だし”の過程

「異例な不確かさ」というバーナンキFRB議長の議会証言が伝わった21日には米長期金利(10年国債)が2.9%割れまで低下する波乱となった。しかしながら、米国企業決算の好調と、23日の欧州銀行のストレステストが(不十分との指摘は多いものの)コンセンサスの範囲で着地したこともあり、週末の海外株式市場は高く、月曜(25日)の東京市場もその流れを受けて9,500円台回復となった。

しかし、87円台後半まで円安に戻した流れも、米国の一段の金融緩和策の可能性と利上げ期待が2011年半ばにまで後退したことから、引き続き円高プレッシャーを受ける展開が今後も続くものと考えられる。
しかし、本来は「異例の不確かさにあるが、それに対する用意はある」というバーナンキ議長の本来的な意図と異なる過剰反応からの回帰と、米国経済のソフトランディングが次第に具象化するとの見方に立てば、市場リスクは緩和方向に向かうというのが筆者(藤根)の見立てである。

こうした環境下での第1四半期決算は、想定為替レートの円高方向への“膿だし” の過程と考える。小売を中心に比較的好調であった2月決算企業に続いて、半導体関連、自動車関連の1Q決算も新聞などの観測記事においては堅調なものが多く、過度に悲観的になる必要はないように思われる。

さて、7月23日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の来期予想ベースEPSは、前週の695.52円から695.25円へと小幅な減少に留まっている。
プラスの変化をした銘柄数34社に対してマイナスの変化をした銘柄数35社とほぼ拮抗しており、アナリストのセンチメントも回復傾向にあるようだ。
1Q決算発表が続く向こう2週間余りはコンセンサスEPSの下振れの可能性は残るが、さらなる為替レートの円高進行が見られなければコンセンサスEPSは下げ止まりから秋口頃には増加に転じるものと推察する。

先週に言及したことの繰り返しであるが、1)欧州リスクの後退、2)米国経済の回復スピード減速の折込み、3)現為替水準での国内企業業績の折込み、から市場リスクが減少する。
1Q決算が出揃うタイミングに向けて、妥当レンジの上限方向への株価上昇を期待する。


◇日経平均妥当水準(レンジ) 
8,900円〜11,000円(前回8,900円〜11,000円)
 *「IFIS/TIWコンセンサス225」(7月23日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(7月23日)

今期予想ベースEPS 579.70円(先週578.84円)
来期予想ベースEPS 695.25円(先週695.52円)

今期予想PER  16.27倍(先週16.25倍)
来期予想PER 13.56倍(先週13.53倍)

来期予想PBR 1.04倍(先週1.04倍)
来期予想ROE 7.68% (先週7.70%)
来期予想インプライド・リスク・プレミアム  6.52%(先週6.52%)

*7月23日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出


先週から今週にかけての「来期予想EPS」の変動に対してその寄与が大きかったものは、以下のとおり。
(注:いずれも日経平均EPSベースに対する寄与幅であり、個別企業の直接的なEPS変動そのものではないことに留意されたい。また、本稿で申し上げる今期および来期は決算発表を基準にしている。)

◇プラス寄与
ブリヂストン(5108) +0.18円

◇マイナス寄与
中外製薬(4519) −0.20円

(プラス、マイナスともに小幅な動きに限定される)