1Q決算は予想外に好調、円高も克服へ
第1四半期(4-6月)決算の約半分が出揃った。前提為替レートも95円/ドルから90円、125円/ユーロも110〜115円へと訂正が進む中で、通期予想の上方修正も数多く見られる状況にある。もちろん、全体を見渡せば好悪が入り混じっているのだが、自動車・家電、設備投資関連などの新興国需要、スマートフォンなどを中心とした電機・デバイス需要が為替による交易条件悪化を打ち消している。
さて、7月30日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の来期予想ベースEPSは、前週の695.25円から697.21円へと4週間ぶりにプラス方向への変化となった。
プラスの変化をした銘柄数も58社とマイナスの変化をした銘柄数49社を上回った。これは1Q決算の好内容が反映されたものである。まだ半分決算が残っており、一週だけでは何とも言えないものの、為替水準が今以上の円高に進まない限りという条件付だが、企業業績見通しの悪化は収束したと考えられる。
市場全体のリスクが低下する過程で日本市場の株価回復が期待できる。
市場環境とリスクについて欧州と米国に触れておきたい。
欧州についてはストレステストの結果が不十分という見方が再び強まっている。しかし、特定の国家が破綻するリスクをテストに含めるのは、予言の自己実現を引き起こすだけに、そのため欧州銀行監督委員会の判断としては限界があるのは否めないところであろう。
LIBOR(ロンドン銀行間取引金利3ヵ月物)においてユーロ建金利が上昇していることを懸念する向きもあるが、(これまでECBに依存していた)銀行間取引が正常化に向かう過程という見方に合理性があるように思われる。
実際にDAX指数は、リーマン・ショック後の高値である4月26日高値6,332ポイントに迫っており、株価はリスクの縮小を織り込みつつある。
米国経済に対しては6日発表の7月の雇用統計に注目が集まっているが、市場予想を下回ったとしても米国企業業績を見る限り、緩やか回復傾向には変らないと考える。
米国が「日本型デフレ」に陥るリスクについての指摘もあるが、日本は円高が国内生産能力の過剰を齎し、それによるデフレがさらなる供給過剰と円高を引き起こすという悪循環に陥っており、これは緩やかなドル安が進んでいる米国には当てはまらないと考えられる。そもそも人口減によって需要が減少する日本と異なり、米国は先進国で唯一今後も人口増加が見込まれる国である。
ただし、FRBのさらなる金融緩和によって円高が進むという可能性は捨てきれない。しかし、米国国債金利(10年)はリーマン・ショックのその瞬間には2.1%という低水準が出現したものの、現在は既に2.9%という低位にあり、金利引き下げへの糊代は米国も少なくなりつつある。
もう一つ付け加えるならば、リスク回避資産である金(ゴールド)価格が軟調な一方で、景気との連動性の高い原油価格が騰勢を強めている(ただし、夏場のドライブシーズン需要との見方もあるが・・・・)。
日経平均のフェアバリュー・レンジ(妥当株価レンジ)は、来期予想EPSの上昇を受けて9,000円〜11,200円へと小幅に切り上げる。
欧州銀行問題はまだ懸念材料として残るものの、DAXの上昇に見られるようにリスクは後退している。米国経済指標の弱含みから円高懸念は依然として強いが、日本企業は現為替レートを克服しており、円高が一服したと認識される過程で日本株式の大幅な反騰局面が期待できると考える(願わくば8月中に!)。
◇日経平均妥当水準(レンジ)
9,000円〜11,200円(前回8,900円〜11,000円)
*「IFIS/TIWコンセンサス225」(7月30日)来期予想ベースEPSをもとに算出
◇IFIS/TIWコンセンサス225(7月30日)
今期予想ベースEPS 582.96円(先週579.70円)
来期予想ベースEPS 697.21円(先週695.25円)
今期予想PER 16.36倍(先週16.27倍)
来期予想PER 13.68倍(先週13.56倍)
来期予想PBR 1.06倍(先週1.04倍)
来期予想ROE 7.75% (先週7.68%)
来期予想インプライド・リスク・プレミアム 6.56%(先週6.52%)
*7月30日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出
先週から今週にかけての「来期予想EPS」の変動に対してその寄与が大きかったものは、以下のとおり。
(注:いずれも日経平均EPSベースに対する寄与幅であり、個別企業の直接的なEPS変動そのものではないことに留意されたい。また、本稿で申し上げる今期および来期は決算発表を基準にしている。)
◇プラス寄与
京セラ(6971) +1.00円
丸紅(8002) +0.85円
ソフトバンク(9984) +0.70円
富士重工(7270) +0.66円
日立建機(6305) +0.58円
昭和シェル石油(5002) +0.30円
パナソニック(6752) +0.29円
ブリヂストン(5108) +0.27円
住友化学(4005) +0.25円
ソニー(6758) +0.23円
◇マイナス寄与
TDK(6762) −0.90円
アドバンテスト(6857) −0.63円
ファナック(6954) −0.51円
東京エレクトロン(8035) −0.50円
豊田通商(8015) −0.48円
クラリオン(6796) −0.27円
富士フイルム(4901) −0.24円
JFE(5411) −0.23円
ヤマハ(7951) −0.23円
サッポロHD(2501) −0.18円
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第1四半期(4-6月)決算の約半分が出揃った。前提為替レートも95円/ドルから90円、125円/ユーロも110〜115円へと訂正が進む中で、通期予想の上方修正も数多く見られる状況にある。もちろん、全体を見渡せば好悪が入り混じっているのだが、自動車・家電、設備投資関連などの新興国需要、スマートフォンなどを中心とした電機・デバイス需要が為替による交易条件悪化を打ち消している。
さて、7月30日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の来期予想ベースEPSは、前週の695.25円から697.21円へと4週間ぶりにプラス方向への変化となった。
プラスの変化をした銘柄数も58社とマイナスの変化をした銘柄数49社を上回った。これは1Q決算の好内容が反映されたものである。まだ半分決算が残っており、一週だけでは何とも言えないものの、為替水準が今以上の円高に進まない限りという条件付だが、企業業績見通しの悪化は収束したと考えられる。
市場全体のリスクが低下する過程で日本市場の株価回復が期待できる。
市場環境とリスクについて欧州と米国に触れておきたい。
欧州についてはストレステストの結果が不十分という見方が再び強まっている。しかし、特定の国家が破綻するリスクをテストに含めるのは、予言の自己実現を引き起こすだけに、そのため欧州銀行監督委員会の判断としては限界があるのは否めないところであろう。
LIBOR(ロンドン銀行間取引金利3ヵ月物)においてユーロ建金利が上昇していることを懸念する向きもあるが、(これまでECBに依存していた)銀行間取引が正常化に向かう過程という見方に合理性があるように思われる。
実際にDAX指数は、リーマン・ショック後の高値である4月26日高値6,332ポイントに迫っており、株価はリスクの縮小を織り込みつつある。
米国経済に対しては6日発表の7月の雇用統計に注目が集まっているが、市場予想を下回ったとしても米国企業業績を見る限り、緩やか回復傾向には変らないと考える。
米国が「日本型デフレ」に陥るリスクについての指摘もあるが、日本は円高が国内生産能力の過剰を齎し、それによるデフレがさらなる供給過剰と円高を引き起こすという悪循環に陥っており、これは緩やかなドル安が進んでいる米国には当てはまらないと考えられる。そもそも人口減によって需要が減少する日本と異なり、米国は先進国で唯一今後も人口増加が見込まれる国である。
ただし、FRBのさらなる金融緩和によって円高が進むという可能性は捨てきれない。しかし、米国国債金利(10年)はリーマン・ショックのその瞬間には2.1%という低水準が出現したものの、現在は既に2.9%という低位にあり、金利引き下げへの糊代は米国も少なくなりつつある。
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日経平均のフェアバリュー・レンジ(妥当株価レンジ)は、来期予想EPSの上昇を受けて9,000円〜11,200円へと小幅に切り上げる。
欧州銀行問題はまだ懸念材料として残るものの、DAXの上昇に見られるようにリスクは後退している。米国経済指標の弱含みから円高懸念は依然として強いが、日本企業は現為替レートを克服しており、円高が一服したと認識される過程で日本株式の大幅な反騰局面が期待できると考える(願わくば8月中に!)。
◇日経平均妥当水準(レンジ)
9,000円〜11,200円(前回8,900円〜11,000円)
*「IFIS/TIWコンセンサス225」(7月30日)来期予想ベースEPSをもとに算出
◇IFIS/TIWコンセンサス225(7月30日)
今期予想ベースEPS 582.96円(先週579.70円)
来期予想ベースEPS 697.21円(先週695.25円)
今期予想PER 16.36倍(先週16.27倍)
来期予想PER 13.68倍(先週13.56倍)
来期予想PBR 1.06倍(先週1.04倍)
来期予想ROE 7.75% (先週7.68%)
来期予想インプライド・リスク・プレミアム 6.56%(先週6.52%)
*7月30日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出
先週から今週にかけての「来期予想EPS」の変動に対してその寄与が大きかったものは、以下のとおり。
(注:いずれも日経平均EPSベースに対する寄与幅であり、個別企業の直接的なEPS変動そのものではないことに留意されたい。また、本稿で申し上げる今期および来期は決算発表を基準にしている。)
◇プラス寄与
京セラ(6971) +1.00円
丸紅(8002) +0.85円
ソフトバンク(9984) +0.70円
富士重工(7270) +0.66円
日立建機(6305) +0.58円
昭和シェル石油(5002) +0.30円
パナソニック(6752) +0.29円
ブリヂストン(5108) +0.27円
住友化学(4005) +0.25円
ソニー(6758) +0.23円
◇マイナス寄与
TDK(6762) −0.90円
アドバンテスト(6857) −0.63円
ファナック(6954) −0.51円
東京エレクトロン(8035) −0.50円
豊田通商(8015) −0.48円
クラリオン(6796) −0.27円
富士フイルム(4901) −0.24円
JFE(5411) −0.23円
ヤマハ(7951) −0.23円
サッポロHD(2501) −0.18円
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