全世界株安。日本のGDP成長率は予想を下回る。

10日の米FOMCを踏まえて償還になるMBSを国債に再投資することが決定された。その根拠となるFRBの景気判断引き下げはマーケットが想定していたものよりも厳しいものであっただけに、全世界的に株価を押し下げることとなった。
13日のミシガン大学消費者信頼感指数(8月速報値)は、69.6と予想(69.3)を上回ったものの殆ど注目されることは無かった。一方で、ここのところ注目度が薄れていたPIIGS諸国の問題などユーロに再び懸念が高まると同時に、中国の景気減速懸念も台頭しつつあり、誠に残念ながらマーケットは一気に弱気に傾きつつある。

こうした中、政策的対応策が限定される日本はそれを見越され資金の退避先としての円高が加速しつつあり、82円/ドル、日経平均8000円台半ばという厳しい見方も台頭しつつある。
日米金利差による円高だけを要因に日本株だけが下げているのであれば、出遅れとの認識が可能であるのだが、世界経済の変調の前ぶれを視野に置いているかのようにマーケットは緊張感が漂っている。今回の株価下落の過程で、ユーロドルが1.32から1.27へとユーロ安に再び振り戻されていることが何よりも気がかりである。年初来高値(6331pt)を更新したDAX指数は6110ptにまで下落した。

本日発表となった日本の4-6月GDPは実質年率0.4%増と1-3月の4.4%増を大きく下回った。1-3月、4-6月の四半期はリーマンショックによる影響が季節調整として統計上組み込まれたことから高めに出やすくなっている点を考慮すると、7月以降のGDP値は期待しづらく、日銀にとっては或る程度は想定内の事象であってもマーケットの受けるプレッシャーは大きなものになりそうだ。GDP(通年)の下方修正も視野に入れておく必要がありそうだ。

さて、8月13日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の来期予想ベースEPSは、前週の700.17円から702.47円へと3週連続でプラス方向への変化となった。
3週連続のプラスではあるものの、先週とは一転して、プラスの変化をした銘柄数は73社とマイナスの変化をした銘柄数74社を僅かであるが下回った。第1四半期決算がほぼ一巡したこともあり、目先大きなプラスは見込みづらい。また、85円/ドルの為替レートが継続するようであれば、EPSのマイナス方向へのプレッシャーとなる。

一方、指標面では既に陰の極みに近づいていることを表している。インプライド・リスク・プレミアム(株価に織り込まれている資本コスト:来期ベース)は、5月以降6.3〜6.5%前後で推移してきたが、8月に入ってから急上昇している。6.56%(7/30)、6.61%(8/6)、6.82%(8/13)、と当コラムが妥当レンジの下限においている7%に近づいており、株価の割安感が強まっている。

日経平均のフェアバリュー・レンジ(妥当株価レンジ)は、9,100円〜11,300円を継続する。いずれにしてもこれ以上の円高が進まないように政府・日銀の前向きな対応を望みたい。

◇日経平均妥当水準(レンジ) 
9,100円〜11,300円(前回9,100円〜11,300円)
 *「IFIS/TIWコンセンサス225」(8月13日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(8月13日)

今期予想ベースEPS 591.83円(先週589.35円)
来期予想ベースEPS 702.47円(先週700.17円)

今期予想PER  15.64倍(先週16.36倍)
来期予想PER 13.17倍(先週13.77倍)

来期予想PBR 1.04倍(先週1.08倍)
来期予想ROE 7.89% (先週7.82%)
来期予想インプライド・リスク・プレミアム  6.82%(先週6.61%)

*8月13日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出


先週から今週にかけての「来期予想EPS」の変動に対してその寄与が大きかったものは、以下のとおり。
(注:いずれも日経平均EPSベースに対する寄与幅であり、個別企業の直接的なEPS変動そのものではないことに留意されたい。また、本稿で申し上げる今期および来期は決算発表を基準にしている。)

◇プラス寄与
ソフトバンク(9984) +0.56円
ミツミ電機(6767) +0.46円
ホンダ(7267) +0.42円
CSK(9737) +0.42円
デンソー(6902) +0.42円
東海カーボン(5301) +0.39円
太平洋金属(5541) +0.38円
住友金属鉱山(5713) +0.36円
ブリチストン(5108) +0.35円


◇マイナス寄与
トレンドマイクロ(4704) −0.75円
国際石油開発帝石(1605) −0.67円
豊田通商(8015) −0.43円
クレディセゾン(8253) −0.36円
トヨタ自動車(7203) −0.31円
シャープ(6753) −0.20円
野村ホールディングス(8604) −0.17円


先週は完全に外しました。
申し訳けありません。
日米金利差だけで円高が進むとしても、米国中期金利も既に低い水準であるだけに限界があり、企業業績の好調を買いましょう、という内容でしたが、どうも世界経済の雲行きが少し怪しくなってきたようです。

マーケットに生きている人間はどうしても“生活バイアス”がかかってしまうようです。これは日本に住み、日本で働いている以上は、避けられないものかもしれません。


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